掲載:2011年4月20日

「ラクーン新聞」第15号、テーマは “脳卒中”

加圧トレーニングを効果的に行っていただくためのポイントや、加圧トレーニングをしていてふと気になる様々な疑問にお答えする「ラクーン新聞」。第15号は「脳卒中」です。

日本人の死因の1位はガン、2位は心臓疾患、3位に脳卒中が入っています。脳卒中とは『脳の血管が詰まったり破れたりして、その先の細胞に血液や酸素が届かなくなり、脳の細胞が死んでしまう疾患』です。一度死んでしまった脳の細胞は再生されないので、高い確率で手足のマヒなどの後遺症が残ります。糖尿病や高血圧、高コレステロールなどの生活習慣病が進行すると起こりやすくなるので、日々の食生活や運動習慣が大きく影響します。

糖尿病は、血液の中に糖が多く含まれた状態が続くことで、血液がドロドロになり、流れが悪くなります。高血圧は、常に血管に強い圧力がかかることで、血管壁が硬くなってしまい(動脈硬化)、スムーズに血液が流れなくなります。高コレステロール(高脂血症)は、余分なコレステロールが血管の内側に付着することで、血液の通り道を狭くします。

有名人では巨人の木村拓也コーチ(先日4/7が一周忌でした)、長嶋茂雄さん(ミスター)、サッカーの元日本代表監督のオシムさんなどがかかっておられます。長嶋さんやオシムさんは片側の手足に麻痺があり、テレビで見ていても少し不自由なのがわかります。木村拓也コーチは、球場で突然意識を失い、数日後亡くなられました。このように日常生活ができるまで回復する場合もあれば、死に至るものまで様々です。

脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血

脳卒中を症状や原因などで細かく分けると、脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血の3つに分類されます。

【脳梗塞】過剰なコレステロールが血管壁の内側に沈着することで血管壁が分厚くなり、血液の通る空間をふさいでしまいます。また、心臓の血管でできた血のかたまり(血栓)が血液にのって脳に運ばれ、それが脳の血管で詰まります。睡眠中や起床時に起こりやすいことが特徴です。

【脳出血】脳の毛細血管が破れ、脳の中で出血が起こった状態。高血圧が原因で起こることが特徴です。これは、強い圧力が血管にかかることで血管が破れるために起こります。

【クモ膜下出血】頭蓋骨と脳の間にある“クモ膜”という膜の下で、動脈瘤という血管の一部がコブのように固まった物が破裂することで起こります。過剰な飲酒や喫煙が大きな原因となっています。

【症状、前兆や前ぶれ】顔や手、足が突然しびれたり動かなくなる、ろれつが回らなくなる、片目または両目が急に見えなくなる、めまい、ふらつき、激しい頭痛が起こる…などです。このような症状があったら、すぐに救急車を呼びましょう。発症から時間が経つに連れて後遺症が残りやすくなってしまいます!

ある患者さんの加圧トレーニングのリハビリ効果

埼玉県にあるラクーンの姉妹店『健康プラザスキップ』の会員Tさん(60代女性、加圧歴6年)は、脳出血の後遺症があり、入会当時は手がほとんど動かず、他の人の助けなしには日常生活が送れないほど重度の麻痺でした。デイケアなどに通ってリハビリを続けていましたが、あまり回復しなかったそうです。しかし加圧に出会い、トレーニングを続けると、少しずつ手の機能が回復し、ほとんど動かなかった手でトイレットペーパーをちぎれるようになったり、髪をとけるようになったり、裁縫ができるようになりました。そして驚くことに、脳出血を発症する前よりも、後遺症のある今のほうが上手に裁縫ができるようになったそうです。

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